臼塚の石人(臼杵神社)〜臼杵市の「臼杵」名前の由来!?〜(大分県臼杵市)
臼杵の市内には、いたるところに古い歴史と文化を物語る石造物があります。なかでも、稲田にある臼杵神社の境内には、県内でも珍しい石造物があります。その形が、甲冑に身を固めた武人(頭部はつくられていない)に似ているところから、石甲(せっこう)とも短甲型石人(たんこうがたせきじん)とも呼ばれ、国の重要文化財に指定されています。
この神社がある小高い丘のようなところは、今から千五百年以上前の古墳時代に築かれた全長87mの前方後円墳で、古代このあたり一帯を支配していた豪族「海人部(あまべ)」の墳墓にあたります。そして、この墳墓の上に立てられた石人は、ここに葬られたものを守衛する番兵としての武人の役割を果たしていたと考えられます。また、この石人について、このあたり一帯では昔から語り伝えられていることがあります。それは、この石人を臼(うす)と杵(きね)に見立て、「臼杵」という地名はこの石人から起こったものであるというものです。