八代城跡群 (1)古麓(ふるふもと)城(熊本県八代市)

八代城跡群は、八代地方の支配拠点となった3つの城跡と関連遺跡群です。古麓城(中世・山城)、麦島城(近世初め・平城)、松江城(近世・平城)と、一つの地域で城の移り変わりを知ることができる貴重な城跡群で、平成26年に国史跡に指定されました。
最も古い古麓城は、古麓町の山々に広がる城の総称で、4つの城跡が確認されています。
建武元年(1334年)、名和氏は八代荘の地頭となり、翌年城を築いたと言われています。
その後、八代を支配した相良氏が引き続き古麓に城を造りました。
古麓城はいずれも中世城郭で、一般的な「お城」のイメージにある天守閣や石垣はありません。
自然の地形を利用した土造りの城です。
豊臣秀吉は天正15年(1587年)、九州平定の際に古麓城に滞在しています。その秀吉を訪ねたポルトガルの宣教師ルイス=フロイスは著書「日本史」の中に「この地がいかに美しく、清らかで、また優雅で豊饒であるかは容易に説明できるものではない」と記しています。