若山牧水生家(宮崎県日向市)

耳川支流・坪谷川の流れと尾鈴の山なみを借景にした歌人若山牧水の生家は、現在でもほぼそのままに残されています。明治18年8月24日朝、牧水はこの家の東に面した縁側で生まれました。生まれる際には診療所を営んでいた父も祖父も外出中で、牧水は三人の姉たちに見守られながら生まれたそうです。

ちなみに牧水の祖父は日本でもっとも早い時期に種痘を普及させるという偉業を残しており、父も村医者として跡を継ぎました。牧水は若山家にとっては待望の長男でしたが、 牧水自身は幼い頃から学校になじまず、裏山や川で遊んでばかりいたそうです。そんな牧水を、両親はあまり強く叱ることもせず、無理やり勉強させる事もなかったそうです。 姉たちが読みふるした本に親しみながら、自然と愛情にあふれた幼年時代を過ごしたと言われています。