子育てほっと情報

お手玉、けん玉、だるま落とし…昔あそびを楽しもう!

おじいちゃんおばあちゃん、三世代一緒に!

お手玉、けん玉、だるま落とし…昔あそびを楽しもう!

記事提供:miku

親から子へ、代々伝わってきた伝承あそび。改めて向き合ってみると、指先を使った運動、タイミングやバランス能力、リズム感などを育む……といった、子どもの育ちに必要な動きがたくさん取り入れられている“あそび”です。子どもと一緒に楽しみながら、おじいちゃん&おばあちゃんから孫へ、親から子へ、伝えてみませんか。

田村洋子さん
NPO日本わらべうた協会理事長、おもちゃコンサルタント、高齢者アクティビティディレクター。東京おもちゃ美術館にておもちゃ学芸員として、毎月「わらべうたであそぼう」を実施。各地でわらべうたあそびの大切さを子どもから高齢者まで幅広い世代に伝えている。

年齢に応じて、あそび方のバリエーションが豊富な昔あそび

「室内あそびが増えるこの時期。子どもの力を育める楽しいあそびはないかしら?」
「昔あそびって、楽しいかも?」
「でも……子どもの頃やったはずなのに、あまり覚えていないなぁ」

 

写真

ということで、3組の親子と「昔あそびがし隊」となり、東京おもちゃ美術館のおもちゃ学芸員田村さんと一緒に体験してきました。

 

驚かされたのは、どの子もみんな、「あそびに夢中!」 の3時間だったこと。コマ回しが気に入った子は、エンドレスでくるくるまわるコマを眺めています。大人にしてみれば「どれも単純なあそびで、あきないのかな?」と思うのですが、何度も繰り返し取り組み、やめる気配がありません。

 

「昔あそびはシンプルだからこそ、初めての子でもさっと取り組め、年齢に応じたバリエーションで楽しめるのが魅力ですね。親から子へ、地域のおにいさん&おねえさんから小さな子へ……と伝承されてきたのには、それなりの意味があるんです。
 
タイミングをはかったり、リズムに合わせたり、バランス感覚が養われたり。子どもの成長に必要な能力をあそびの中で自然に身に付けられるんですよ」と田村さん。さっそく、いくつかの昔あそびで一緒にあそびました。

 

まずは、お手玉。誰もが知っているお手玉も、あなどるなかれ、文部科学省が管理している「子供の体力向上ホームページ」(※)でも取り上げられている、運動能力の土台作りにぴったりなあそび。年齢に応じた、さまざまなあそび方があります。

 

「2〜3歳の子には、お手玉を真上に軽くほうって落ちてくるのをキャッチするだけでも難しいんですよ。大人にとってはなんてことないので、ついもっと変化のある遊びをやらせようとしてしまいますが、そうした一つ一つの経験を積み重ねてあげたいですね。頭の上にちょんとのせて、落ちないようにバランスを取るだけでも楽しいですよ。」
 
次にあそんだのは、なげ竹。これもわらべ歌にあわせたさまざまなあそび方がありますが、未就学時代はもっとシンプルに“バランスあそび”がおすすめです。手の甲や二本指にのせて、落とさないようバランスを取るだけ! これで十分に楽しめます。

 

※文部科学省「子供の体力向上ホームページ」
https://kodomo.recreation.or.jp/

いろいろなお手玉あそび

頭にのせて……あ、歩ける???   かご入れ。かごに一つずつ放り込みます。徐々にかごとの距離を広げて……。年齢に応じて、距離やかごの大きさで難易度を調整しましょう。   真上に軽く放ったものを、手の甲にのせたり、空中でキャッチしたり。お手玉の重みも心地よく感じます。
写真  

わらべ歌を覚えよう!

ひとつ覚えておくと、手まりやお手玉など、リズムに合わせたあそびが広がって楽しいですよ。

 

「あんたがたどこさ」
作詞:不明

 

あんたがたどこさ 

肥後さ
肥後どこさ 熊本さ 熊本どこさ せんばさ
せんば山には たぬきがおってさ
それをりょうしが てっぽで打ってさ
にてさ 焼いてさ 食ってさ
それを木の葉で チョイッとかぶせ

あんたがたどこさ♪の歌にあわせて、手拍子をとるように、手のひらをお手玉でつついてリズムを取ります。
“さ”のタイミングで隣の人のひざや肩をお手玉でポンと軽くたたきます。
  最後のフレーズ、“ちょいとかぶ〜せ”で頭にのせます。  
世界のお手玉  

小さな達成感を積み重ねて

コマやだるま落とし、けん玉など、どんなあそびをしていても、「見て、見て〜」と、できた瞬間の表情がとてもいいのが印象的。「これ、この笑顔!」と田村さん。「この小さな達成感こそが、次のステージへのステップ。このよろこびこそが、自分への自信になるのよ」とおっしゃいます。
 
木や布といった素材のやさしさも、昔遊びのすばらしい点。ところが、安かろう、悪かろう商品が売られている現実も。けん玉やだるま落としなどは、品質が悪いとなかなか上手にあそべず、達成感も味わえないのだそう。シンプルだからこそ、素材の感触もダイレクトです。

 

あそぶときは、古くから伝わる本物の道具を使って、昔あそびを楽しんでみましょう。おじいちゃんやおばあちゃんとも一緒に、世代を超えて楽しめること請け合いですよ。

 

なげ竹遊び

写真

はじめは座って、次に立ち上がり、歩きながら……とバランスをとって、ほらできた!

 

写真

なげ竹を使って、字を書き始める子も。こうやって自分であそび方をみつけられるのもいいですね。

 

写真

 けん玉

けん玉をやるときは、周りに人がいないか、危険なものはないか見渡してから。ルールを守りながらあそぶことも大切。

 

いろいろなコマ

指先で回すものから、ひも式まで、コマも種類が豊富です。

 

写真上級編は、ひもを使って。ベイゴマは小さい分、ひもを巻くのも難易度アップ!


写真

だるま落とし

写真繰り返すにつれ、力加減が分かってきます。集中力が付きそう!

  

 

参加しました!

テレビゲームにはない魅力がいっぱい

平井人世(ひとよ)ちゃん(5歳)、こころちゃん(4歳)&奈穂子ママ

コマなどは園でもやらせてもらえているようですが、家ではあまり昔あそびをしたことがなかったので、さっそくやってみたいと思います。テレビゲームと違って、一緒にあそんでいる感がたっぷり味わえますね。

 

シンプルだからこそ、あきずにあそべる

松尾優香里ちゃん(5歳)、
寿晃くん(2歳)&容子ママ

刺激の強いおもちゃが多い現代だからこそ、昔あそびを改めて見直したいなぁと思いました。寿晃がコマ回しにはまって、ず〜っとやっていたのには驚きました。シンプルだからこそあきないんですね。

 

 

木や布の素材 ぬくもりもいいですね

坂下冬磨(とうま)くん(5歳)、颯(いぶき)くん(1歳)&由美子ママ

自分も子どもの頃、祖母や母に教えてもらったなぁ、と懐かしくなりました。子どもに必要な運動能力が身に付くメリットはもちろん、やはり木が素材のおもちゃはいいなぁと思いました。

撮影/長尾浩之 取材・文/山田治奈
取材協力/東京おもちゃ美術館(東京都新宿区四谷4-20 四谷ひろば内)
※記事内容は、育児情報誌miku27号(2012年冬号)に掲載のものです。

PAGE TOP