「株式会社 IKUTA Kitchen」の代表取締役、料理研究家。愛情とユーモアが詰まった家庭料理は、幅広い層から支持されている。国内だけにとどまらず、海外の企業と共同してオリジナル商品やメニューをプロデュース。また、栄養士として親子を対象とした食育塾の主催、専門学校や大学で講演・講師も務める。
電子レンジで上手に調理をするには、その特徴を知っておきましょう。
まず、ほとんどのレンジ調理の場合、材料の大きさを切り揃えることがおいしさの近道になります。大きさや厚みが不揃いだと加熱ムラができるので、熱が早く均一に通るように、野菜の大きさは揃える、肉は薄めに広げて平らにすることが調理のポイント。
次に重要な加熱時間ですが、機種によってW (ワット)数が異なるため、コツをつかむまでは様子を見ながら設定するのがおすすめです。
電子レンジ調理では耐熱性が不足している木製や、金属性の容器が使えません。耐熱皿や耐熱容器、金属の絵付けがない陶磁器を選びましょう。また、ラップは鍋のフタの役割をします。調理法や食品の種類によってラップをかけるもの、かけないものがあり、かける場合はラップのかけ方まで把握しておくことも調理をする上で大切。さらに加熱する材料にも工夫が必要で、基本は大きさを揃えて切ります。ソーセージなど皮がついている食材は、加熱すると中身が膨張するので切り目を入れましょう。また、殻付きの卵やゆで卵は破裂するおそれがあるのでレンジ調理には向いていません。
野菜をラップで包んで加熱することで、鍋で茹でるより早い。また、材料の下ごしらえにも役立つ。
炒める、揚げるなどの調理に比べ、レンジでは少量の油でOK。しかもヘルシー!
ボウルやお皿一つで、スピーディに調理できるのが魅力。洗い物も最小限におさえられるので片付けもラク。
少ない分量でも、短時間で材料にしっか火が通り、味付けまでできるので、1人分の調理に便利。
味をしっかり染み込ませるには、ある程度、下部の加熱が終わってから材料を混ぜて上下を入れ替えましょう。
材料を揃えて切って加熱するだけで、長時間煮込んで作ったような優しい味に仕上がります。
揚げ物調理はフタをせず、まんべんなく全体に油を薄くぬるのがおいしく仕上がるポイントです。
専用の容器を使えば少ない水で早く茹で上がります。ミートソースは材料と調味料を加熱するだけでOK!
さっそく、耐熱ボウルに材料と調味料を加えて加熱するだけの手軽さでできる煮物とハヤシライスを作ってみましょう。後編ではパスタとフライドチキンをご紹介。
※今回使用した電子レンジのW(ワット)数は700W(ワット)です
ジャガイモは皮をむいて4〜6等分に切り、水に15〜20分さらしてアク抜きをして水気を切る。タマネギとにんじんは乱切り、牛モモ肉は食べやすい大きさに。インゲンはラップに包み、レンジで30秒かけておく
耐熱器に1と[A]を入れ、煮汁がなくならないようにラップをして約10分加熱する。途中、熱が均一に伝わるようによく混ぜ、ラップをしてさらに約10分加熱。
香りづけにごま油を回しかけ、すりごま、白髪ネギ、糸唐辛子を添えて出来上がり。
牛肉は塩・こしょうをして小麦粉をまぶす(一切れが大きければ2つに切る)。タマネギは縦に2等分し、幅1cmの半月切りに、エリンギはスライス。【省エネPOINT1をチェック】
耐熱ボウルに1を並べたら、[A]を泡立て器で混ぜてかける。【省エネPOINT2をチェック】
ラップをして約15分加熱する。フタを開け最後にバターを入れ、混ぜたら出来上がり。
器にご飯をよそい、3をかけて、軽く泡立てた生クリームをたらしてパセリをふりかけてどうぞ。
材料を同じ大きさに切り揃えることで、均一に加熱でき、素早くおいしく仕上がります。
材料の並べ方も重要。中央にタマネギとエリンギ、外側に火の通りにくい牛肉を並べましょう。