旧百三十銀行行橋支店〔県指定有形文化財〕(福岡県行橋市)

大阪に本店を置いた百三十銀行の行橋支店として、大正3年(1914)に竣工したレンガ造りの建物です。

東京駅や日本銀行本店を手がけた辰野金吾が主宰する辰野・片岡事務所が監督し、清水組(現清水建設)が設計施工しました。
建物の外観は二階建てに見え、ルネッサンス様式に19世紀末から20世紀初頭にヨーロッパで流行したセセッション風のデザインを加味し、シンプルでモダンなこの時代の雰囲気が表現されています。

内部は銀行建築に特有の天井の高い吹き抜け構造になっています。

二階部分はギャラリー(歩廊)がめぐっていて、螺旋階段阿が備えてあります。

カウンターや応接室が残り、奥壁に金庫室が覗いています。
棟札や設計図、竣工写真も残り、設計者や施工者も明確な旧百三十銀行行橋支店の建物は、県内の大正時代の銀行建築を代表する貴重な建造物です。
平成10年に土地と建物を行橋市が購入し、平成13年に大正の竣工当時の姿に修復しました。

現在は「行橋赤レンガ館」の愛称で市民ギャラリーとして利用されています。