野尻城井戸跡 〜小林市〜(宮崎県小林市)

この井戸跡は、南北朝時代から天文年間(戦国時代末期)に造られた貴重な遺構です。

野尻城は、城の下川及び数条の谷に囲まれた要塞堅固な山城で、南北朝時代に形成された本城と新城の二つの城郭からなり、古くは伊東氏と島津氏の構想の舞台にもなった歴史を秘めています。
また、この野尻城は、伊東四十八城の一つで、西諸地域における守備の拠点としての役割が大きかったようです。

この新城の第二郭のほぼ中央ににあり、素掘りの井戸で、井桁もなく、江戸初期の廃城令(一国一城令)後も数百年放置されたままであったが、昭和六十二年に現在の形に改善されたものです。

山城であるが故に、空堀や郭(くるわ)など全てを一望にすることはできませんが、国道、県道を経由して、山のほぼ頂上付近に井戸跡として残っている様子は、当時に思いを巡らすには十分だと考えます(^^)