伝統が織りなす美の結晶 『鹿島錦』 (佐賀県鹿島市)

「鹿島錦」は江戸時代後期、鹿島鍋島藩主夫人(篤子様)が、たまたま病で床についていた時天井の網代組を見て、これで日用品を作れないかと側近に相談したことが始まりです。そこで近習が研究の末に観世縒り(和紙を細く切り縒り合わせたもの)で網代形を編み、印籠を作りました。それが鹿島錦の基となり、殿中で歴代の夫人によって工夫が加えられて伝承されてきました。
明治43年ロンドンで日英大博覧会が開かれ、鹿島錦が出品されることになり、大隈重信候の計らいで、知名度を考慮して「佐賀錦」の名で出品されました。それ以来、佐賀錦の名称も一般的に使われるようになりました。
昭和43年鹿島錦保存会が結成され、鹿島錦教室が開講しました。以後、保存会員様の努力により今まで受け継がれ、現在の発展を見るに至っています。
祐徳博物館の入り口には、「鹿島錦」を展示しており、お土産に購入することができます。