ピントコ坂のおいらん塚<悲しい愛の物語>(長崎県長崎市)
ピントコ坂は、小島から長崎南高正門までの700mほど上る長く険しい坂。
唐の商人何旻徳(カ・ピントク)は、国で恋人を上役に奪われ、失意の中長崎に来た。そんな彼がある日、酒に酔い丸山で恋人に瓜二つの遊女、お登倭(おとわ)と出会い二人は恋仲になります。その頃(元禄3年)長崎で偽金事件が起き、彼が犯人として逮捕され西坂で処刑されました。実際は濡れ衣で、お登倭に思いを寄せる町役人の嘘でした。悲嘆にくれたお登倭は亡骸を貰い受け、中国が見えるようにとこの地まで背負って歩き、手厚く埋葬した後、自害して果てます。これが傾城塚(おいらん塚)です。
「ぴんとこ」とはもともと「凸凹」「あれた」の意味で、長崎では険しい坂段を上り下りする時に“ぴんとこどっこいしょ”と言います。
この坂沿いに、小説「長崎ぶらぶら節」に描かれた名妓「愛八」さんの墓所もあるよ。