ワーキングマザーの快適!省エネ・エコライフ 林流シンプルライフ

カテゴリー

筆者プロフィール

No.184 2015/05/11

地下300メートルへ潜入! ――― 地層研究所で一次情報を確かめる

 電気のゴミ、つまり、高レベル放射性廃棄物の処分問題は、その電源に賛成、反対、どちらの立場であろうと、みんなに共通の問題です。私も震災前から、ファシリテーターをさせていただいたり、勉強会やワークショップに、個人の立場で参加しています。

 処分方法として、海洋底下や氷床、宇宙に排出するといった方法がありますが、深い地層に埋めるのが最適というのが、いまのところの世界の共通認識です。先行事例として、フィンランドの「オンカロ」が有名ですね。
 日本でも法律で、地下300メートルより深い地層に埋めることが決められています。また最近は、将来もっといい電気のゴミの処分方法が出てきたら、回収して最新の技術で処分しなおすことができるよう、政策の見直しがされているところです。

 でも、火山国で地震の多い日本のこと、安全な地層処分は可能なの?廃棄物が地下水に溶け出すことはないの?私は正直なところ、そんな疑問を持っていました。そういう時は、直接確かめるのがいい方法!地下300メートルの研究所へ行ってきました。岐阜県にある瑞浪超深地層研究所です。

 作業服にヘルメット、鉄板入りの長靴に履き替えて、金網シースルーのエレベーターで、地下300メートルの深さに掘られたトンネルへ!

 地震が起きた時、地下の振動や岩盤への影響はどうなのか、どんな微生物がいるのか、地下水の流れや水質への影響はどうなのか、実際にここで研究をしている方から案内していただきながら、次々沸いてくる疑問にも答えていただきました。
 今はまって読んでいる宮沢賢治の小説には岩石がたくさん登場するのですが、地層研究所には多くの岩石サンプルもあり、案内してくださった方のお話も岩盤や岩石の話がたくさん登場。専門分野をお訊ねすると、岩石工学とのこと!(ここでも賢治つながり!)「地震発生時は、地表よりも地下のほうが揺れが少ない」など、採取データに基づいて、丁寧に答えていただきました。

 説明やパンフレットがどんなにわかりやすく作られていても、それで"信頼感を持つ"に至るのは難しいものですが、今回実際に研究している人の発言や姿勢に直に触れ、対話をしたことで、私は少なくともその方々に信頼感が持てました。対話をすること、一次情報(=データの大元)に触れることは大事だなあ、とあらためて思いました。
 子供の見学者用の服とヘルメットもありました。九州からはちょっと遠いけれど、関心を持った消費者が自分の耳目で一次情報を確かめられる、貴重な施設です。

(2015@林 真実)

このページに掲載しているあらゆる素材の無断複写・転載を禁じます。 © KYUSHU ELECTRIC POWER CO. INC. All Rights Reserved.