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No.45 

名護屋城でお寿司 ――― 粋な食のワークショップ

 名護屋城の茶苑で、地産地消を推進する食の勉強会がありました。企画実施はフードジャーナリストの金丸弘美氏、主催は佐賀県くらしの安全安心課。加唐島の漁師さんから生産現場のお話を伺い、一流の職人さんが握るお寿司を味わい、学び、考えるワークショップでした。

 記録的な暖冬で、茶苑の庭もすでに春爛漫といった趣でしたが、漁師さんのお話でも、今年は春の魚介類が一と月ほど早く獲れているとか。今は街角の魚屋さんが減り、スーパーや生協などの流通が主流となって、規格に外れてしまったお魚などは受け入れ先がない・・・というお話も。消費者が安く入手する方法はないのでしょうか。鮮魚コーナーにバーコードがつけられ並んでいる魚も、大きいものを選ぼうなんて思っても、全部同じ大きさ、同価格。考えてみれば不自然なことです。また、私たちが買う魚の値段のうち、生産者に入るお金はその一割ほどしかない、したがって後継者も育たない・・・と切実な話も。

 合理化され尽くした高度消費社会の暮らしの中に、生産や食料需給のさまざまな問題が潜んでいることを改めて考えます。今回のように行政が主催する生産者と消費者の交流はきわめて意義深いものでしたし、これに企業が加わると問題解決へ大きく動き出すのではないかと感じます。これからの消費者には、与えられたシステムに甘んじず、自ら生産や流通の現場に出向いていく姿勢が必要だと思いました。

写真:唐津の名店「つく田」のご主人、松雄さんが握るお寿司。シャリが甘くなく赤酢を使った、きりっとしたお寿司です。鯖、鯛、鰆、一口あわびや緋扇貝・・・地元の素材の最高の味を引き出す調理法なども伺えて、大変勉強になりました。(こんなに美味しいものをいただくのに、勉強会ゆえ、お酒がなかったのが残念!)

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