ユニバーサルデザインのお話を伺うため、大阪大学の川崎和男先生をお訪ねしてきました。
川崎先生はインダストリアルデザイナー。グッドデザインの審査委員長を務められた経験もあり、デザインなさった車椅子はニューヨーク近代美術館に永久展示されています。人工心臓のデザインでは医学博士を取得、たわしや包丁から家庭用原子炉(!)まで、実にさまざまなものをデザインされています。ユニバーサルデザインを日本に紹介した方でもあります。
写真は、先生がデザインされた、人が刺せない鉛筆削り用ナイフ。
熊本育ちの私は子供のころ「肥後の守」という折りたたみナイフを持たされていましたが、自分の子どもにも自然の中での遊びや工作のために小さなアーミーナイフを持たせていたところ、小学校で没収されました。子どもが子どもを刺したりする事件が報道される時代、肥後の守やアーミーナイフは残念ながら凶器として取り扱われ、危険なものは排除されてしまいます。
今の学校では手で鉛筆を削ることもできない・・・と残念に思っていたのでしたが、このナイフだと大丈夫。デザインの力ってすごいと思います。
写真:川崎和男氏デザインの鉛筆けずり。これなら危険物を排除する現代の教室でも使えます。