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No.161 2013/03/27

省エネ節電とアート、初のコラボカフェ ――― 多様性をみとめあうために

 2月の土曜の昼下がり、私の住んでいる町で、省エネ節電とアート鑑賞法のコラボカフェというちょっと実験的なイベントをやりました。たぶん、全国初です。

 省エネは百人百様です。アートも、人によって様々な受けとめ方があります。両者を組み合わせれば、多様性を認め合うのにぴったりではないかなあと思ったのです。

 「おうちの暖房を切って 心温まる3時間を」と呼びかけたところ、町内外の友人知人含む30名が集まってくれました。

 まずは私の節電セミナーから。普段着の私を知るご近所さんも多いため、いつものとは一味違う、リラックスした柔らかいセミナーに。専門家の方以外は「省エネと節電の違いをはじめて知ったよ〜」という人がほとんどでした。

 つづいてはテーブルに別れての節電カフェ。一緒に企画したキャンドルナイト仲間の"ピッピさん"が用意してくれたシードルとケーキが美味しくて、節電トークも大いに盛り上がりました。

 そして、大阪から来てくれた"ザキさん"によるアート鑑賞ワークショップ。ニューヨーク近代美術館で活用されている鑑賞法です。最初のアートは、ローマ時代の頭像。感じたまま、口々に感想を言い合います。人の意見を聴くうちに、自分の見え方感じ方もどんどん変わっていくのを体感。

 2番目の靴の絵をみんなで鑑賞している時、ファシリテーターも目を見張る出来事が。参加者の中で最高齢の男性が、すっと自席を立ち、ツカツカと反対側に歩いていって、「こっちから見るとまたぜんぜん違って見える」と言ったのです。その柔軟さがなんとも素敵で、それをきっかけにみんな自由に立ち位置を変えいろんな角度や距離から絵を見始めると、写実的な絵なのに、どんどん不思議な発見や奥行きが生まれ、いつまでも対話がつきませんでした。

 振り返りの時間に、皆さんから感想を伺うと、件のシニア男性がこういいました。

 「同じ立ち位置からしか見らんで、自分の考えに固執して、人の意見に耳を貸さんで、お互い主張を変えずいつまでも言い合いよることが、よくあるでしょうが。」エネルギー問題もしかりですよね。「今日はそうじゃない体験ができてよかった。」その人は、1年前に福岡での省エネシンポジウムに参加してくださっていて、いつか私とつながりたいと思っていたら地元でセミナーが開かれたんだよと話してくれました。私も、その人と同じ町に住んでいることをすごく嬉しく思いました。省エネとアートの初コラボカフェはなかなかの手応え!「また来年もやろう!」と話しています。

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