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No.173 2014/11/25

省エネは町も人も元気にする 〜10年めの「葉山省エネヘルスケア共和国」にて

 福岡県宗像市の「葉山省エネヘルスケア共和国」建国にかかわらせていただいてから、10年が経ちます。過日、ひさしぶりに現地の省エネ学習会に呼んでいただき、お邪魔してきました。共和国大統領である今西さんはじめ幹部の方々には、県の温暖化防止活動推進員研修などに講義に伺う折などにちょくちょくお会いしていますが、住民の方々は久しぶり。「みなさんお変わりなく〜」という私に、「林さんはオバサンになったね〜」とド直球なお言葉をいただきつつ、講話を始めました。

 10年前にまちづくりコーディネーターの方から省エネ連続講義の依頼を受けた私が、何を考えどんなことを仕掛けたのか、裏話も交えながら、省エネ最前線の話や私の最近の活動についてお話していると、日曜日ということもあり、宗像市長の谷井博美氏も顔を出してくださいました。「僕も共和国の国民のひとりだからね。」と。かっこいい市長さんでしょう?そんなわけで、市が抱えている(例えばゴミ減量などの)課題への取り組みは、ここのコミュニティで先行的に試行されます。行政と住民の理想的な関係です。また勉強会には隣の赤間市からもご参加が。このようなわけで、このコミュニティの先進的な省エネヘルスケアの取り組みは、市全体や他地域へも波及していくのです。

 さて、共和国の建国前後、高齢化率45パーセントだったシニアのまちに、私がコミュニティの外から仕掛けたこととは?
 それは、皆さんが"楽しく健康的に"省エネの輪をひろげられるようにすることでした。

 私は、省エネのまちづくりには、強制やおつきあいといった義務感ではなく、「楽しく参加できること」が最も大切だと考えていました。そこで、建国前の1年目は、幹部の方々へ、真面目かつ楽しい省エネ連続講義と輪を広げるための戦略策定ワークショップを。2年目は「アクティブシニアへの生活提案―――省エネ・健康・安心安全」と題して、住民の方々にも楽しみに参加していただけるようシニア向け料理教室(健康に役立つ簡単レシピ、ビール付き!)も組み込んで省エネと健康対策の学習プログラムをたて、各方面の有難いご協力を頂きながら実践していきました。住民の皆さんは皆さんで、省エネ体操や省エネバスハイク、温暖化防止新聞の発行など、精力的に省エネと健康づくりを推進していかれました。
 外の人間である私が係わるのは2年までと区切らせていただき、2年目の終わりの方では、何名かの住民の方々に講師になっていただきました。講師養成の目的も、省エネのまちづくりに自立性、継続性を持たせるための仕掛けでした。

 高齢化率45パーセントのさびしげだった街は、今目の前で、活気あるキラキラしたコミュニティに成長しています。大統領の今西さんはじめ、各大臣や住民のみなさんがこの活動をずっと継続されていることが、本当に貴重で素晴らしいと思います。
 私が自分のことを「省エネファシリテーター」と言えるのも、ここでの実践経験があるからです。省エネは、エネルギー以外にもいろんなベネフィットを生み出します。10年のまちの変化を目の当たりにしながら、「オバサンになるのもわるくないかも。」と思えた一日でした。

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