雪がつもって明るい元旦でした。
私が育った熊本の実家では、元旦の朝、お座敷に家族全員揃い、飾り付けられた酒器から赤酒のお屠蘇を三三九度風に注いでもらって、厳かに一年の挨拶をしていました。お年玉も、正座をして両手で恭しくもらっていたなあ。
あれから30年、我が家ではそんな伝統のカケラもなく、起きてくるのもばらばらで、全く締りがありません。赤酒のお屠蘇と母の味をアレンジしたおせちとお雑煮で和やかに過ごすことだけは変わらないかな。
さて、去年は喪中でしたので控えめにしたおせち、今年はまた元通り!
娘はいつのまにか勝手につまんで早々に初詣に出かけていき、息子も「おいしい、おいしい、日本酒にあう〜」ともりもり食べてくれて、おせち、2日でほぼなくなりました。
メニューはこのエッセイではじめてご紹介した2005年から、ほぼ変わっておりませんが、レシピは食材や機材に合わせて年々ちょっとずつ変化しています。
母伝来をアレンジした「鶏のロール」は、昔は蒸し器や電子レンジで作っていましたが、今年は電気オーブンのスチーム機能で。しっとり仕上り、シャンパンや白ワインのおつまみにもぴったり。
表面を焼いたあとは電気を使わず調理する「節電ローストビーフ」は、今年はさしの入ったいいお肉が手に入ったので、周囲をさっと焼いただけ。まったく保温の必要なし!海草塩でいただきました。
「がめ煮」は、結婚当初は丁寧に面取りや飾切りをして食材別に下煮もしていたけれど、今は材料を全部一緒に圧力鍋で省エネ調理。
目と舌で覚えた母の味に、節電エコな工夫をしてきた私流のおせち。毎年、「買おうかなあ」と思うけど、今年も手作りしてよかった!