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No.178 2015/01/30

遺された父、電子レンジ「あたため」をマスター

 父が、老後に母と一緒に住むつもりで買ったマンションで、「まさかの一人暮らし」を始めることになって、1年数ヶ月がたちます。

 父は現役の頃は、たまに、自分で包丁を磨いでお刺身を切ったり、てんぷらを揚げたり、料理をしていました。ご飯の水加減を教えてくれたのも父です。そんな父が、母の他界後、作りおきのおかずやご飯やお弁当を「電子レンジで温める」という、ボタン一つで済む操作ができない(あるいは、しない?)ことに、私達兄弟は「愕然」としました。

 思えば、母は専業主婦で父を置いて外出もしなかったので、そもそも電子レンジとは全く無縁の暮らしでした。その上、父も高齢になり、母の闘病や他界で、レンジ操作を覚える気力もわかなかったのでしょう。男性は一人になったときのためのサバイバル力と覚悟を、高齢になってこそ身につけておかなきゃいけないんだね、と兄弟でしみじみ話しました。

 ところが、先日、父を訪ねたら、ヘルパーさんが冷凍して下さっているご飯を2膳分、自分でレンジで解凍し、お茶碗によそっているではありませんか。(すごい!お父さん、レンジをちゃんと操作できてる!その上、ご飯を私の分まで!)と心の中でうるうる感動!。。。

 実はそれは私の分でなく、父の「おかわり」の分だったので、後でずっこけたのですが(笑)

 悲しみが少し薄れて、ちょっとづつだけど前進しているのかな。マンションにある電子レンジは、私より父の方がマスターしているかも。

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