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No.193 2015/08/27

芸術でクールシェア! ――― 節電コンサートが町の事業に

 普段は県外での社会貢献活動が多い私ですが、東日本大震災後は、自分の住む町で、仲間と共にキャンドルナイトを5回、節電コンサートを3回、実施してきました。東日本震災後、新聞で見た、「こういうときは、小さくまとまれ。」という、吉本隆明さんの紙上インタビューの言葉に背中を押されたのです。吉本さんは具体的にこうしろとはおっしゃっていませんでしたが、自分が住んでいるコミュニティで地域の人々と繋がる事が大事なように思いました。

 そこで最初は、私の個人的なライフワーク(省エネ)や趣味(音楽とお酒)と絡めて、「何かワクワクすることをやりたい」という近所の仲間たちと、200個のキャンドルの明りで音楽とお酒を愉しむ会をはじめました。そこに、町役場の方々も加わってくださるようになり、だんだんと協働事業に発展、今は、2千個のキャンドルが灯る町のイベントに成長しています。
 3回目を迎えた節電コンサートも、今年は特別に、地域の歴史と絡めた記念事業になりました。「おうちのエアコンやテレビを消してあつまれ〜」と呼びかけたら、町内外から100人以上が集まってくださいました。赤ちゃんの泣き声も音楽のうち。ゼロ歳からシニアまで、遠くベルギーから駆けつけてきてくれた幼馴染の友人の、美しく深いソプラノの歌唱を堪能しました。彼女の「からたちの花」、絶品すぎて、涙が出ました。

 節電コンサート終了直後から、目下6回目のキャンドルナイトの準備を、役場の皆さんや仲間達と協働で進めています。県外から移住してきたIターンの青年たちも準備に加わってくれることになりました。

 「消滅可能性都市」に数えられる小さな町ですが、低炭素の暮らしや、町おこしの輪がすこしづつ広がるのを実感しています。小さくまとまって、地域コミュニティの絆を深めていくと、それがいろんな意味での自立、自律に繋がっていくのではないかと思っています。

(2015@林 真実)

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