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No.202 2015/12/16

バリアフリーの手すり ――― 子どもの北欧bedの廃材リユースで

 転倒による足の怪我と手術のため、松葉杖→車椅子→松葉杖→杖、という生活を経験しています。バリアフリーやユニバーサルデザインについてはそれなりに勉強していたつもりでしたが、底の浅い知識でした!当事者になって気づくことがたくさんあり、深く会得する機会をいただいてありがたいなと思っています。

 さて、私が20代の頃、長男を妊娠中に設計した自宅は、生まれてくるわが子はきっと腕白になるな、階段を転がり落ちるリスクも高いかも、と予測、事故の被害が少なくなるよう階段はU字型に設計しました。その時は子どもの安全だけで頭がいっぱいで「シニアになったらバリアフリーに」くらいしか考えておらず、自分の老後のことや怪我のときの配慮はほとんどしていませんでした。当時はまだアメリカでユニバーサルデザインの思想が生まれて、まだ日本には入ってきていない頃でしたが、もしユニバーサルデザイン視点で建てていれば慌てることもなかったでしょう。今回の事故は家の中の事故ではなく外での転倒でしたが、一番困ったのが松葉杖での階段移動で、危ないことこの上ない。すぐに手すり工事をする必要がありました。

 さて、病院から帰宅したら、階段に一目で手作りとわかる、変わった形の手すりがついていました。息子が指差して、「お母さん、これ、なんだったかわかる?」
 それは、子ども達が寝ていた北欧製のベッドの、廃材利用の手すりでした。小さい時は二段ベッドとして、少し大きくなってからは切り離して個室で使った後、犬小屋にリユースして、そのさらに残りの廃材をまだ取ってあったのです!

 息子は人間工学を学んでいるのに「設計ミスしたー」と言っていましたが、我が家らしいリユースで母は嬉しい。子育ての頃を思い出してじんわり温かい気持ちになります。

(2015@林 真実)

写真:手になじんで使いやすい、ベッドの廃材リユースの手すり。幼かった子ども達の寝顔や泣き顔がうかびます。

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