ワーキングマザーの快適!省エネ・エコライフ 林流シンプルライフ

カテゴリー

筆者プロフィール

No.234 2018/12/10

ウエディングドレスのエコ
母から娘へのサムシング・ブルー

  • categories:

 「誰かと結婚するときは、このドレス、ウエストを詰めてあげるからお色直しに着てね。」娘とそう約束していた、私の声楽用のブルーのドレスがあります。その娘が、早いもので結婚することになりました。このエッセイを始めたときはまだ小学生だったのに!

 私は亡くなった母の「行動」から、いいものを長く着ることの良さを学びました。

 “いいものを長く着る”ことは、リユースであり、その分リデュースになり、環境負荷がかかるリサイクルは十分に着た後となり、最も理想的な3Rが実現します。

 母のように、エコを「行動」で伝えられる親になりたいと思ってきましたが・・・ハードルが高いなあと思っている間に、子どもたちは、あっという間に成人!

 せめて結婚式では!と、取り組んだ、私のブルーのドレスのお直し。私よりふた周り小柄な娘のためにウエストをきゅっと詰める予定が、赤ちゃんを授かったため、予想された作業とは真逆に(汗)。挙式が近づくにつれ日々大きくなっていくお腹を締め付けることなくぴったり合うように、そして結婚式後は私自身もコンサートや慰問でまたすぐ着られるよう、無いアタマを絞って、写真のようにリフォ―ム。

 紐を通す金具を、ジッパーの外側に。こうすれば、紐の締め加減でサイズ調整すれば妊娠7か月の大きなお腹でも、紐を外してジッパーを上まであげると同時に私も着られるのです。背中に継ぎ足す布も、伸縮のきくタンクトップを肩ひももそのまま折りたたんで縫いつけました。こうすれば、はずしてまたタンクトップとして着られるでしょ。

 挙式2週間前の打ち合わせ。「お母さま、お直しいらなかったみたいですよ。ジッパー上まであがって、まだ少し余裕が。」えーっ。でも、胎児の成長は予測がつきません。念のためサイズ直しの金具はつけたままにしたところ、挙式前日のドレス合わせで、「お腹の赤ちゃん、急に大きくなりましたね、ジッパー、腰までしか上がりません・・・」という事態に。もちろん金具に紐を通し、慌てず対応できました。

 挙式前夜、金具も全てしっかり縫い付け直し、背中の継ぎ布にもぴったりの位置にスナップをつけて完成! 「妊娠7か月なんて全然わからなかった!」と多くのゲストから言っていただきました。少しは母に近づけたかな。

 結婚式では4つの(新しい・古い・青い・借りた)サムシングを身につけると幸せになるという西欧の言い伝えにもあやかった、母から娘の、サムシング・ブルーのドレス。結婚式が終わったら、また私がコンサートや慰問用に着まわします。たたんで縫い付けたタンクトップは外して元の形でまた着ます。そう、このドレスの3Rストーリーはこれからも続くのです。私の体形も変わるでしょうから、背中の金具はつけたままに(笑)。

(2018@林 真実)

このページに掲載しているあらゆる素材の無断複写・転載を禁じます。 © KYUSHU ELECTRIC POWER CO. INC. All Rights Reserved.