ワーキングマザーの快適!省エネ・エコライフ 林流シンプルライフ

カテゴリー

筆者プロフィール

No.236 2019/01/07

世代を超えて着まわそう ――― 着物、晴れ着のエコ

  • categories:

 娘の結婚式に、母の形見の黒留袖を着ました。

 妹一家が実家から、留袖や帯などをひと揃え持ってきてくれたのですが、母も祖母も他界しているので、花嫁の身内がこんなに派手な帯を締めるもの?この帯はお雛祭り用ではないの?などと逡巡。やっぱりレンタルにしようかと思い始めたとき、帰宅した妹から写真が送られてきました。「私の結婚式の写真が出てきたよ!お母さんが締めていた帯はやっぱりあれ、帯締めは金銀のあれ。」「ほんとだー、答え合わせができたね。問題は、丈直しができるかどうか。袖が5センチも短いよ。」

 こんどは呉服屋さんに来てもらいました。ひとしきり母の留袖について、柄や染め、貝を使った細工、金糸を朱糸でとめる刺繍の職人技について解説してくれました。裄(袖)丈は出せるだけ出しましょう、身丈もなおさなければ、とのことで、お直しに、ひとつきほどかかりました。

 挙式の日、私の姿を一目見て、義母が言いました。「その黒留袖、お母さんが着てはったお姿を思い出すわ。今日は天国で喜んではるやろ。」
 「母の留袖、おぼえていてくださったんですね。母は今日はここに一緒にいる気がしています。」と私。

 妹や姪が着ている訪問着と振袖も、私の母や祖母、そして娘の母である私が、思いをこめて準備したもの。なのに、若い頃はそんな親心、全くわかっていなかった。

 子や孫への思いがこもっている晴れ着は、世代を超えて着まわす価値があります。なにより、亡き親族も一緒にお祝いしてくれているような、そんな気分になるのがいいです!

(2019@林 真実)

このページに掲載しているあらゆる素材の無断複写・転載を禁じます。 © KYUSHU ELECTRIC POWER CO. INC. All Rights Reserved.