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No.269 2021/4/8

カーボンニュートラルな暮らしを考えよう〜その2 モビリティの低・脱炭素化

 2050年のカーボンニュートラルに向けて、あなたの暮らしの中で、具体的に何ができるでしょう。最初に申し上げておきますが、決して、我慢することではありません。

 生活の低・脱炭素化へ向けて、これまで、温室効果ガス排出の大きいところから手を付けていくことをおすすめしてきました。家庭においては、自動車や、給湯や暖房のエネルギーです。

 今回は、車での移動に関して、カーボンニュートラル実現へのライフスタイルを一緒に考えてみましょう。

 ガソリン車を保有している方は、できるだけ車移動を公共交通機関利用にする。これは基本です。歩いて行ける近所のコンビニにもつい車で行ってしまっている方は、可能な限り、歩きや自転車にかえましょう。運動になりますし、今まで目に入らなかった路傍の小さな草花に季節を感じたり、昆虫の美しさや、鳥の声に気分もリフレッシュしたりすることでしょう。

 買い替えの機会をとらえて、ガソリン車からEV(電気自動車)に替えるのも、カーボンニュートラルに近づく道です。今は電気も化石燃料によるところが大きいですが、電気は今後着実に脱炭素化していきます。もちろん、持ち家で屋根に太陽光パネルを載せることが可能な方は、再生可能100%で自家充電した車でお出かけもいいですね。停電時はEVからも電気をとることが可能なので、災害時も心強いことでしょう。

 あるいは私のように(以前このエッセイでもご紹介しましたが)「車を手放す」という選択肢もあります。車を手放して不便になったかって?いいえ。私の場合、歩いて暮らせるまちの集合住宅に引っ越したので、以前車に乗るたびに味わっていた環境負荷の罪悪感やストレスからすっかり解放され、精神的にもハッピーになりました。休日の過ごし方も、「車でどこかへ出かける」から、公園の散歩や路地裏探索となり、移動にかかるCO2が大幅削減となりました。

 車の買い替えや、公共交通機関にするのは無理だよ、という方には、コロナがあけたら近所の人たちでライドシェアをするのもおススメです。郊外に住んでいた頃の私は、ライドシェアは日常からよくやっていました。塾の送り迎えも、近所のママ友に交代制を提案。送り迎えをそれぞれが空席のある車で行くのをやめ、交代で行くことで、ガソリンも手間もCO2も半分になり、時間とゆとりが増えました。友達の子が同乗すると不思議なもので、わが子へのムダな説教も減り、楽しい会話が増えて、子育てにもプラスになります。もちろん、コロナがあけたとしても交通事故などのリスクもありますから、お互い信頼できるママ友やご近所さんであることは大前提です。そこはご注意を。

 子供が巣立ったら車をダウンサイジングする、というのも一手です。逆に、みんな私の車でまとめて運ぶわ!というリーダー的な方ならば、大きな低炭素車にすることだってアリかもしれません。

 そう、脱炭素スタイルへの道は、実に多様で、無限大。正解は一つではありません。その人それぞれがその人の状況に合わせて、我慢ではなく、効率よく着実にできることを追求していくと、上記でお伝えしたように、生活の質もおのずと上がっていきます。

 このように、低・脱炭素ライフへのシフトを実行していく過程で、「バス停に屋根やベンチがあると助かるな」とか、「自転車やベビーカーで通りにくい歩道だなあ」とか、「もっと充電ステーションを増やしてほしいなあ」と思ったら、自治体にも声をあげていきましょう。低・脱炭素ライフを目指すあなたが住んでいるまち自体も、低炭素のスタイルに少しずつ変わっていくでしょう。(これは私の経験を伴う実感です!)

 カーボンニュートラルへの道、車の移動を例にお話ししてみましたが、どうですか?さっそく、あなたができることからはじめていきましょう。知恵を使って、人とのつながりも楽しみながら、低・脱炭素ライフへ向かってわくわくすることをやってみましょう!

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 車を手放してから、駅から遠い講演会場の時でも公共交通機関で伺っています。このエッセイには感動があふれすぎたことはまとまりがつかず載せそびれてしまうのですが、これはコロナ前の2019年に、「ゆふいんの森号」で日田に向かっているところ。
 本数が少ない分、前後の時間もたっぷりあるわけで、この時は駅に迎えに来て下さった日田市役所の方々が名所を案内下さり、講演後は洋酒博物館で地元の方々と交流、翌朝は環境活動家の方々が情熱を注がれている博物館まで送ってくださって、最後、駅まではタクシーで。日田駅もすごく素敵です。
 電車での移動時間は、行きはパソコン作業、帰りはリラックスしてビールをいただくことが多いです。今はコロナ禍でオンラインが増え、それはそれで良さもありますが、直接お会いして交流することに勝るものはありません。日田の皆様にもまたお会いしたいです!

(2021年4月 林 真実)

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